若林晃一税理士事務所

生前贈与で効果的な相続対策を!その仕組みを解説します

生前贈与とは?


生前贈与とはその言葉通り、生きている間に財産を他の人に贈与することです。

相続対策では、財産を生前に贈与することにより、相続が発生したときに相続税が課税される財産を減らす目的で行われます。

相続対策ではもっとも行われる方法であり時間をかけて計画的に行えば確実に効果がある方法です。

まず、贈与税について知りたいという方は、贈与税の基礎知識をご覧ください。

生前贈与の効果を大きくする方法

贈与税は「財産をもらった人」ごとに、「1年間にもらった合計金額」に対して課税されます。

では長男と長男の妻と孫2人、長女と長女の婿と孫2人全員に110万円贈与した場合、贈与税は課税されるでしょうか?

財産をもらった8人は全員110万円しかもらっていないので贈与税は課税されません。

つまり相続税が課税される財産880万円(110万円×8)を贈与税を全く支払うことなく、子や子の配偶者、孫に渡すことが出来るということです。

贈与税は年ごとに計算しますから、今年贈与税を支払うことなく880万円の財産を贈与して、翌年また贈与税を支払うことなく880万円の財産を贈与することが可能ということになります。

贈与を繰り返し行えば、2年で1,760万円、10年で8,800万円の財産を税金が課税されることなく贈与することも可能となります。

つまり「多くの人」「時間をかけて」贈与をすれば相続税の対象となる財産を確実に減らすことが出来ます。

相続対策はできるだけ早く取り組んだ方がいいというのはこのことからも言えるでしょう。

また、これだけ財産を贈与することが出来るのなら、むしろ財産を渡しすぎて生活資金がなくなってしまうのを心配するという事態になるかもしれません。

若い親族に財産を渡しすぎると金銭感覚がおかしくなり本人のためにならないので、毎年渡す金額は多くしないほうがいいということもあるかもしれません。

そのためにもまずは財産の保有状況など現状分析を行って全体像を把握してから適切な贈与額を決めることが必要です。

相続対策にならない生前贈与!?

生前贈与により相続財産を減らすという方法は時間をかけて、多くの親族に贈与すれば非常に有効です。

ただ生前贈与をしても相続対策として効果がない場合があります。それが生前贈与加算と呼ばれるものです。

生前贈与加算とは

相続などにより財産をもらう人が、被相続人(死亡した人)から、死亡の日からさかのぼって3年以内に、贈与によりもらった財産がある場合には、その贈与によりもらった財産の価格を足した金額を相続財産の価格とする

という制度です。

具体例でみていきたいと思います。

父Aは2016年6月29日の時点で財産を1億円持っていました。

父Aは2016年6月30日、2017年6月30日、2018年6月30日に長男Bに400万円を贈与しました。

長男Bは2016年、2017年、2018年それぞれの年について、贈与税を

(400万円ー110万円)×15%ー10万円=335,000円 支払います。

父Aは2019年5月31日に死亡します。


父Aが死亡した時の父Aの財産は

1億円ー400万円×3=8,800万円 です。

ただし、父Aの相続税を計算するうえでの財産は8,800万円とはなりません。

長男Bは父Aの死亡の日(2019年5月31日)からさかのぼって3年以内に父Aから1,200万円を贈与してもらっています。

そのため、父Aの相続税を計算する上での財産は

8,800万円+1,200万円=1億円 となります。

ただし、ここで問題となることがあります。

長男Bは400万円をもらったときに、それぞれの年で贈与税335,000円を支払っています。400万円に贈与税と相続税どちらも課税されるのではおかしいのではないかということです。

そこで相続税と贈与税が重複して課税されないようにする規定が設けられています。

それが、贈与税額控除です。

今回の例ではまず相続財産が1億円であるものとして相続税額を仮に計算して、その相続税額から既に支払っている贈与税額1,005,000円(335,000円×3)を控除した金額が納付する相続税額とするということになります。

贈与税額控除があることにより、生前贈与をしても2重に税金を取られることはありません(損はしません)。

ただし重要なポイントは、生前贈与をした金額が相続税の計算に含まれてしまうことから、3年以内の生前贈与は相続税の節税対策として有効ではないということです

生前贈与をしたけど考えていたより早く相続となってしまって、効果的な生前贈与とはならなかったということを避けるためにも、現状分析を行い早くから相続対策に取り組むことが重要となります。

加算されない生前贈与

生前贈与加算ですが、だれに対しても適用されるわけではありません。

生前贈与加算は

相続などにより財産をもらう人が、被相続人(死亡した人)から、死亡の日からさかのぼって3年以内に、贈与によりもらった財産がある場合には、その贈与によりもらった財産の価格を足した金額を相続財産の価格とする

という制度です。

つまり相続などにより財産をもらう人について、適用される制度です。

では次のような場合はどうでしょか?


おじいさんは長男のお嫁さんと孫に贈与をしています。長男のお嫁さんと孫への贈与は生前贈与加算されるでしょうか?

生前贈与加算されません!

長男のお嫁さんと孫は相続などにより財産をもらわないので3年以内に贈与をした場合であっても生前贈与加算されないのです。

このように相続人でない人に贈与をした場合には生前贈与加算されないので、3年以内の贈与であっても生前贈与の節税対策の効果が見込まれます。

ただし、お嫁さんや孫でも生前贈与加算される場合があります。

一つは遺言書がある場合です。

お嫁さんや孫に財産を渡す旨の遺言書がある場合には、お嫁さんや孫が相続などにより財産をもらうので生前贈与加算されることになります。

もう一つは、お嫁さんや孫が保険金の受取人となっている場合です。この場合も相続などにより財産をもらったものとして生前贈与加算されることとなります。

遺言書を作成したり保険に加入する場合には生前贈与加算についても注意する必要があるということになります。

まとめ

生前贈与加算による節税対策はいかがでしたでしょうか?

節税対策の効果が見込める半面、注意すべき点がたくさんあることを理解していただけたと思います。

当事務所では相続に係る現状分析から上記の注意点をふまえた生前贈与などの対策について相談を承っています。

興味のある方は是非ご相談ください。初回相談無料です。


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